皆さんこんにちは。いつもご訪問頂きまして心より感謝申し上げます。
先日、 NsFarm Channel に、
"Fusion Effects 用マクロにトグル開閉ラベル(ボタン)を付ける方法。Setting ファイルとは!?"
を紹介したチュートリアル動画をアップしました。
「知っていると便利なちょっとしたテクニック」など情報の共有となれば嬉しいです。
ツイッター 、インスタグラム もやってますので気が向いたらフォローしていただけますと嬉しいです
過去に配信した DaVinci Resolve 関係のコンテンツは、「NsFarm's DaVinci Resolve And Fusion Official Page」にまとめています。
Fusion Effects 用マクロにトグル開閉ラベル(ボタン)を付ける方法。Setting ファイルとは!? / DaVinci Resolve 17 Fusion
・DaVinciResolve17 の紹介
・インスペクターにトグル開閉ラベル(ボタン)コントロールを設定する方法
・Setting ファイルの説明
タイムコード
00:00 イントロ
01:37 Setting ファイルとは
03:35 トグル開閉ラベル(ボタン)コントロールの設置
12:38 まとめ
制作に使用した時の PC 環境の紹介です。
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PC: G-Master Spear Z390-Taichi OC
CPU: Intel Core i9-9900K [5.0GHz OC]
GPU: GeForce RTX2080Ti 11GB
Memory: 32GB
Keyboard:Logicool K750r
Mouse:Logicool M220GR
Mic:FIFINE K670
Headset:SONY MDR-XB450
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今回は結構マニアックに Fusion を使いたい方のための動画だったと思います。 DaVinciResolve15 からダヴィンチリゾルブに統合された Fusion。 まだまだ使い方が慣れない方がいる一方で結構マニアックな部分にまで操作スキルを上げている方も増えてきているような気がします。 DaVinciResolve17 から Edit ページに Fusion Effects が追加されました。 今までやや禁断のボタンとされてきた Fusion ページのボタンですが少しずつ馴染みのあるものへと変わってもらえると嬉しいですね。
動画の内容
今日は Fusion マクロの少しハック系の小技をご紹介したいと思います。
DaVinciResolve17 の Edit ページに Fusion Effects が追加されました。
こちらにはデフォルト以外に Fusion ページで作ったマクロを登録することが出来ます。
通常方法でマクロを作成するとこのようにインスペクターにはパラメーターが一覧として並びます。
項目数によっては長くなり見づらいと感じる場合もあります。
今回はこちらにこのような開閉トグルラベル(ボタン)を設定する方法をご紹介したいと思います。
少し手間が掛かりますがその分実装しておくと見た目の印象が平坦なものから立体的な印象になると思います。
今回は作業中、Setting ファイルの中身を編集するところも出てきます。
Setting ファイルについても少し解説してみたいと思いますのでご興味のある方は参考にして頂ければと思います。
ちなみに Fusion Effects に Setting ファイルを追加するパスは、
C:\ProgramData\Blackmagic Design\DaVinci Resolve\Fusion\Templates\Edit\Effects
/Library/Application Support/Blackmagic Design/DaVinci Resolve/Fusion/Templates/Edit/Effects
です。
DaVinciResolve15 から DaVinci に統合された Fusion です。
そろそろマニアックな使い方にも慣れてきた方も増えてきたような感じがしています。
腕試しに Edit ページで使いやすいテンプレート、マクロを作成して配布してみる。
そのようなことにチャレンジしてみたい方も出てきているかもしれません。
それでは前置きが少し長くなりましたが解説に進みたいと思います。
はいそれでは始めていきます。
はじめに Setting ファイルについて少し触れておきたいと思います。
Setting ファイルは、自分のチャンネルや海外のチュートリアルを見ている方は目にする機会があり馴染みはあるものの今までそれほど気にせず自然と使っている方もいるかもしれません。
このファイル自体はプログラムではなく「プログラムが参照するパラメータが保存されているテキストファイル」になります。
もしかしたら「ini ファイルとか、xml ファイルと同じようなもの」と言ったほうがピンと来る方もいるかもしれません。
プログラム制作では ini ファイルとか、xml ファイルといった外部のテキストファイルを使うことがよくあります。
なので検索してみると「.ini, .xml」といったファイルが結構 PC の中に入っています。
大事な参照データが入っているので取り扱いには気をつけて頂ければと思います。
Setting ファイルの中身は Fusion 独自の形式になりますがやっていることは ini ファイルとか、xml ファイルと同じです。
プログラムで使用するデータを外部にテキストファイルとして書き出す仕組みです。
自分はお仕事で生産現場で使用される専用機の制御ソフトの制作業務に携わったことがあるのですが、そのような現場でも同様の仕組みはよく使われています。
プログラムの都合上必要だったり、お客様から頂く要望の中で必要だったりします。
自分の経験から二つほど例をご紹介してみたいと思います。
まず、一つ目は ① データの保存と復元のための使用します。
例えばソフトを使っていく中で使いやすくするために設定を色々と変更する場合があると思います。
一時的なデータは RAM に保存されますが RAM に保存されたデータはプログラムの終了とともに消えてしまいます。
プログラムがその変更されたデータを次回起動時に使いたい場合は、どこかに保存しておく必要があります。
その場合の一つの方法として外部のテキストファイルの ini ファイルとか、xml ファイルといったものを使ってデータを保存する方法があります。
プログラムでは次回の起動時または指定された時にそのテキストファイルを読みに行ってデータを復元します。
ini ファイルとか、xml ファイルは基本的なルールが決められていて実装コストもそれほどかからず簡易に使用できるので生産現場で使用するソフトでもよく使われています。
例えば「別の PC に設定をまるまる移動する」みたいなこともテキストファイルをコピーするだけで簡単にできるので生産性が高められる理由もありよく依頼があります。
次に二つ目は② 外部からのカスタマイズ性という点で要望があり使用することがあります。
例えば簡単な例だと USB の Com ポートの設定を外部ファイルを使って読み書きできるようにソフトを作ったとします。
Com ポートの番号などは環境によって変わる場合があるので特に GUI を持たないソフトなどは外部のテキストファイルで変更できるようにしておくと便利だったります。
外部ファイルを使用せずにプログラム内に固定値として値をもってしまうと変更にはプログラムを修正する必要が出てしまい手間が掛かってしまいます。
24 時間稼働の生産現場もあるので変更のたびソフトを開発元に戻して修正してもらっていてはその間の生産がストップしてしまい生産性が下がってしまうリスクが発生します。
また、大抵はソフトを納品した時点では検収が終わっていて金額が Fix されます。
納品後の修正は、内容によっては別途見積もりが発生したりして金額面でも作業面でも依頼側、制作側お互いの手離れが悪くなってしまいます。
なのでテキストファイルを使ってある程度柔軟にカスタマイズできるソフトが現場では要求される場合がほとんどです。
DaVinciResolve の場合は大きな単位ではプロジェクトファイルで設定を保存出来たりしますが Fusion の Setting ファイルは Fusion のノードの設定といった一部分のデータをテキストファイルに保存して読み書きできる仕組みです。
なので Fusion で作ったノードツリーの設定は、Setting ファイルを使って簡単に保存、復元することができます。
また、逆にいうと Setting ファイルの中身を変更することで DaVinciResolve 自体のプログラムを変更することなく外から操作、カスタマイズできる部分も出てきます。
今回ご紹介する開閉トグルラベル(ボタン)の作り方はその一例になると思います。
これから実際に一連の作業をご紹介していきますので参考にして頂ければと思います。
まず、Background と Text+ ノードを配置して Merge ノードで合成したノードツリーをサンプルとして作ります。
次にこの中のどれかに新しいコントロールを追加します。
どれでも良いのですが大抵マクロを作った時に存在する Merge ノードがわかりやすいので今回はこの中に作って行きます。
Merge ノードを右クリックして Edit Control を開きます。
まず、名前をつけます。
ここには開閉トグルボタンに表示させたい名前を入力します。
今回は例として Collapse1 とします。
Tab キーを押すと ID が自動的に振られます。
Page は、表示させたいページを選択します。
今回は、User のままにしておきます。
Input Ctrl: で Label Control を選択します。
Show Arrow にチェックをつけます。
Hide Next# には閉じた時に中に入れたいコントロール数を入力します。
決まっていればその数を入力します。
もし決まっていない場合は適当な数値の 3 などを仮に入力しておいて後で変更します。
OK を押します。
すると User ページ(タブ)が追加されるので開いて確認すると今作ったコントロールが出来ています。
同様にしてもう一つコントロールを追加してみます。
Collapse2 が Collapse1 の階層に入っていますが、Nest Level を指定しなかったためこうなったと思います。
別の番号を割り振ってネストを分けても良いですが今回の場合は気にしなくて大丈夫です。
それではマクロを作って行きます。
マクロ化したいノードを選択しますがマクロにした時のインスペクターに表示させたいノード順に Ctrl/Command を押しながらクリックしていくと順番が指定できるのでおすすめです。
選択したらノードの上で右クリックして Macro → Create Macro から Macro エディタを開きます。
Macro 名を入力してインスペクターに表示させたいパラメータを選択します。
チェックが終わったら、File → Save As... でファイルを保存します。
それでは今作ったマクロを Shift と Space キーのセレクトツールで呼び出して配置してみます。
現状ではまだこのように全てのパラメータが表示されている状態です。
ここからマクロファイルの中身を変更する作業になります。
ノードパネルの空いているところで右クリック、Edit Macro を選択して Macro エディタを開きます。
File → Open をクリックすると保存されたフォルダが開くので先程保存したした Collapse.setting ファイルをエディタソフトで開きます。
Inputs = ordered() の中に Input1, 2 と連番になっているのが表示されているパラメータになります。
対応する項目が分かりづらいものもありますが Source の名前で判断つきやすいものを目安に探すと良いと思います。
それでは Size から折りたたまれるように改造してみます。
Size の Input8 を次の Input9 の直前までコピーして貼り付けます。
Default = 1 の行を削除して、SourceOp と Source 行のみ残した状態にします。
Source 行のダブルクォーテーションの間に Edit Control でつけた名称を入力します。
今回は Collapse1 です。
SourceOp には Collapse1 を登録したノード、今回は Merge1 になるのでそちらを入力します。
このままだと Input8 がかぶっているのでこちらを Collapse1 と変更しておきます。
上書き保存でファイルを保存して、もう一度ノードエディタに配置してみます。
すると Collapse1 の開閉トグルボタンが出来ていることが確認出来ます。
折りたたまれたパラメーターは Hide Next# で設定した 3 つのパラメータになります。
ここで注意点を紹介します。
V Anchor のようなパラメータは一行に複数の要素が入っています。
Collapse2 を使って例を紹介します。
テキストエディタに戻って同様に Collapse2 を追加します。
追加する場所は Line Spacing の下です。
先程作成した Collopse1 をコピーして貼り付けます。
貼り付けたら Collopse1 を Collopse2 に名称を変更します。
もう一度上書き保存をして再度 Select Tool で呼び出して確認します。
Collapse2 は V Anchor 一行分閉じた状態になっています。
Collapse2 では Edit コントロールで作成した時に Hide Next# で 2 を設定しました。
この数値は Collapse2 の後の Input の数で、Input 2 つ分が有効になります。
Collapse2 は H Anchor までのパラメータを閉じるようにしてみたいと思います。
H Anchor までには Input11 から Input16 までの要素があります。
この数を数えると 6 個の Input になるので 2 を 6 に変更します。
Edit コントロールで修正しても良いのですがファイルが上書きされてしまうので、今回は setting ファイル内で値を変更する方法を紹介したいと思います。
Collapse2 で検索をかけるとファイルの後半で Collapse2 が定義されている場所があります。
作成した Merge1 の中に入っています。
こちらの LBLC_NumInputs が要素の数を設定するパラメータになります。
この数値を 6 に変更して上書き保存、もう一度マクロを呼び出して確認します。
期待通りに Collapse2 の中に H Anchor までのパラメータを入れる事が出来ました。
はいではまとめると、
① マクロ化したいノードツリーを作成
② ノードのどれかに Edit コントロールで Label Control を追加
③ Hide Next# に数値を仮入力
④ マクロを作成
⑤ マクロ Setting ファイルに Input を追加
⑥ マクロ Setting ファイルの LBLC_NumInputs で閉じるコントール数を調整
って感じです。
それでは今回も最後まで動画を見て頂きましてありがとうございました。
もし動画の内容が気に入って頂けましたら、グッドボタン、チャンネル登録をして頂けますととても嬉しいです。
わからないところがあればコメント頂ければ分かる範囲でお答え出来たらと思います。
それではまた次回の動画で!
ではではこれからも DaVinci Resolve の使い方、魅力を伝え、皆様の映像制作に少しでも刺激を与えられたらと思っています。
それでは最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
皆さんとの技術&作品共有の場になれば幸いです。
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